【オーナー様へ】空き家の自宅を賃貸に出すこと

こんにちは。営業部の小柳です。

 

最近話題の空き家について、本日は「空き家の自宅を賃貸に出すこと」について、お話いたします。

空き家の自宅を賃貸に出すこと

 

転勤で住まなくなった分譲マンション、元々親が住んでいた自宅をどのように活用していくのか、住まなくなった持ち家の選択肢は「売る」「貸す」「空き家のまま」の3つになりますが、今回は賃貸に出した場合についてのお話をしていきます。

貸し出す手順

 

自宅を賃貸するために煩雑な手続きなどは特にありませんが、入居者が入った後のリスクとして、「家賃はきちんと支払されるのか」、「近隣トラブルを起こさないか」、「もう一度住みたくなったら退去してくれるのか」等があり、事前準備をしっかりと行うことで、多くのリスクを回避することができます。
まずは信頼できる不動産会社を見つけ、相談を行うことをオススメいたします。

依頼する不動産会社を決める

 

賃貸する部屋の募集をするにあたり、事前に「賃貸契約の形態をどうするのか」、「不動産会社にどこまで任せるのか」、「家を修繕してから貸すのか」を決める必要があります。

賃貸の契約形態には「普通借家」と「定期借家」があります。
通常の賃貸借契約では契約期間が1年以上、上限なしとなっており、契約期間を2年に定めた契約を締結し、2年ごとに更新を行うことが一般的ですが、いざ家主が使用したいと思っても、借主保護の観点より家主からの一方的な解約を行うことができず、一度貸し出すと、借主は一定期間の通知を行えば解約できますが、家主からの解約では正当事由が必要となり、自分達が使用したいからという理由は正当事由と認めてもらえません。

 

そのため、今後の利用が想定される貸家では定期借家契約での契約をお勧めいたします。
定期借家契約では契約期間を自由に定めることができ、契約期間終了の1年から6ヶ月前までに借主に対し通知を行えば、契約を終了させることができます。
もちろん借主・貸主共に希望すれば、再度契約を行い継続して借りていただくこともできます。
ただし、期間を定めた契約はなかなか借り手が見つからず、通常の家賃相場より安くしなければならない場合もあります。

 

借主としては、自宅の建て替えなど入居期間が決まっていれば、相場より安く借りられる場合がある。
貸主としては、近隣トラブルを起こした入居者を確実に出すことができる。

 

もう一度住むことが決まっていれば、契約期間を基に予定を立てることもできるメリットがあります。

不動産会社にどこまで任せるのか

 

部屋を貸すにあたって借主と契約した後は自分で管理を行うこともできますが、家賃の滞納、契約違反行為(ペットの飼育、騒音等)、退去明渡しと修繕費用の請求など、貸主が直接解決することが難しいことも多くあります。
入居募集から運用管理など不動産会社に依頼する際は、どの程度の費用が掛かるのか、トラブルにどこまで専門的に対応してくれるかを、比較検討しながら不動産会社を選んでみてください。

かかる費用は

 

自宅を賃貸に出す大きなメリットとして、家賃収入という不労所得が得られることが上げられる反面、貸し出す前に修繕やリフォームの費用、入居中の設備の故障による修繕費がかかってきます。

 

自宅を貸す場合、出来るだけ現状のまま貸したいとおっしゃられる方も多いのですが、入居希望者に借りたいと思ってもらえる商品として最低限の体裁を整える必要があり、ハウスクリーニングや設備の修理のほかに、内装工事が必要な場合があります。

 

また契約時点で修理費用の負担をどちらがするのか、退去時にかかる費用について事前に決めておかなければ大きなトラブルとなります。
多くの住宅設備は耐久年数が十数年ほどとされていますが、いずれ故障や素材の劣化、性能・機能の低下が生じることもあり、一般的に交換や修繕にかかる費用は貸主の負担となり、そうした経費を想定しておく必要もあります。

 

もう一度住むことを考えない場合、費用をかけずに借主を見つけたい場合、「DIY賃貸」も選択肢としていかがでしょうか

 

>>【オーナー様へ】DIY型賃貸借のススメ

退去の際に掛る修繕費用

 

退去の際に掛る修繕費用についても知っておく必要があります。
賃貸借契約では「原状回復」の条項があり、借主は退去の際に物件を原状に戻して貸主に返還しなくてはいけないのですが、ここで原状回復の範囲で貸主が思っていた以上に費用負担トラブルになるケースが多くあります。

 

昨今は借主保護の風潮が強く、自宅を貸す場合でも貸主は「事業主」となり、消費者保護により物件は人が何年間か住めば、それに応じて内装が損耗・汚損するため、通常使用の自然損耗、経年劣化については、すべて借主が支払う賃借料に対価として含まれている、という考え方になっています。

 

これらは、国土交通省の「ガイドライン」というかたちで行政指導が行われており、具体的には「ハウスクリーニング費用や壁紙の変色、畳・襖(ふすま)・障子などの変色や摩耗などを、原状回復費用と称して借り主に請求することはできない」また、「借主が故意・過失で汚損させた部分について、自然損耗分、減価償却分を考慮して、壁紙などは6年で1円となるように残存価値を算出して、その部分だけを負担すればよい」としています。

 

 

基本的には費用負担は話合いによる解決を行いますが、話合いで解決できないときは、民事調停または訴訟になります。
ガイドラインは過去の判例にもとづいて作成されているため、裁判に発展した場合は、ガイドラインに近い判決が出ることが多くなります。

>>【オーナー様へ】民法改正で賃貸経営はどう変わるか

その他に考えられるリスクや不安

 

その他に考えられるリスクや不安として
・確定申告が面倒
・リフォームをしたけれど借り手がなかなか決まらない。
・入居者がマンションの管理規約を守らない。

 

自宅を賃貸にするには、これらのリスクがあることを認識した上で、トラブルなどに対して備えて行くことを求められますが、始めは何も知識がなくて、どこから始めていいのか解らないかもしれません。
特に思い入れのある自宅を他人に貸すというのは勇気のいることですし、また自分が戻って住む事を考えた場合は近隣との付き合いも重要です。

 

素人だけでは判断が難しい問題も多いので、まずは、信頼できる不動産会社を見つけ売却価格やリフォーム費用、空き室の管理費用も確認しながら、「貸す」ことが選択肢として適当なのか、相談してみてください。